聴◇しほさんのバッハ

廣海史帆さんのバッハ無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ&パルティータ全曲演奏(!)を聞きに、目白へ。とてもステキなギャラリーで、演奏者の背景には、緑が風に揺れたり、時折葉が落ちたりして、自然と音楽が一体となって感じられるようでした。

廣海さんの演奏は、端正な美しさを常に讃えていて、音が美しく並んでいくのが、目に見えるようでした。自分とは全くちがう解釈も沢山あって、とても面白く、興味深く聴きました。バロック楽器、バロックボウでの演奏だったので、ううむやはりそこはそのボウイングになりますよね…と研究したりして。

それにしてもやはりどれも名曲。。特にシャコンヌは、奇跡の名曲だわぁ。全曲演奏って本当にすごいです。かなりの胆力と体力が必要だろうなぁ。でも、弾いているうちに、どんどん音楽からエネルギーをもらって、元気になるのかも?!とも思ったりして。ドイツにいたころ、ワーグナーのオペラをよくやりましたが、17時に劇場に入って、終わるのは23時。ある意味、細胞が入れ替わるくらい、体も心もすべて音楽で刷新されるような感覚がありました。懐かしい。

今朝起きた時から喉が痛くて、途中から悪寒がしてきてこれはまずいと思って、泣く泣く途中退場。。全部聞きたかったなぁ。ざんねん。

そもそも赤ちゃんを夫にあずけて、ひとりでコンサートに行くなんて、それ自体が、めちゃくちゃ贅沢な時間でした。。。こんなに静かな時間ていつぶりだろう。。生演奏にみなで耳を澄ます…という時間、シーンという沈黙のなかから音が生まれていく空間、それが、いかに貴重なことか思い知りました。そして、演奏会に行くというのは、当たり前だけれど、電車に乗って、移動して、出向くわけで。自分も色々企画しているけれど、いろいろな方がいろいろな所から時間とエネルギーを割いて聞きにきてくださる、その音楽と場を共有できることは、本当に有難いことだなぁと改めて感じました。赤ちゃんみてくれていた夫に感謝です。ありがとう。しほさん、演奏会の成功おめでとう〜〜!

今日の音楽*

いつか絶対生で聴いてみたいとずっと憧れるアマンディーヌさん。大好き。しほさんに教えてもらったヴァイオリニストです。

今日の言葉*

ブッダの重要な教えのひとつである「インタービーング」(相即)は、「あらゆるものはそれ以外のものからつくられている」という深い洞察の智慧です。ひとりの人を深く観ると、その中に宇宙全体とすべての祖先が観えます。私たちが存在する以前から存在してきた空気や水、喜びや悲しみ、数々の旅路が観えてきます。「在る(be)」ということの本当の意味は「存在しあう(inter-be)」ことなのです。花がそこに在るために日の光や雲や大地を必要としているように、私たちはおたがいにかかわりあっています。何ひとつとして孤立しているものはありません。

(ティク・ナット・ハーン)


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