出産

2月23日に3040gの元気な赤ちゃんが産まれました👶

天音(あまね)といいます。女の子です。緊急帝王切開になったりしてアタフタしましたが、とにかく新しい命を無事に迎えられて、本当にほっとしています😌 慣れない育児で怒涛のこの1ヶ月は、必死でした…😱 待った無しで、全力で泣き、全力でおっぱいを吸い、全力でうんちをして、「今」を生き続けることを欲求する赤ちゃん。毎日お世話しながら、私も、周りにいるどんな人も、こうしていろんな人に支えられて、つながってきた、儚くも強い命なんだなと感じています。この世はみんな、おたがいさま、おかげさまだなぁと。すべてが愛おしい。生まれてきてくれてありがとちゃん🙂
この世界へ仲間入りしたピカピカの新入生として、みなさんと仲良くしていただけたら嬉しいです🌸よろしくお願いします😌

以下、忘れないうちに少しずつ記録した超長文です。。。

 

もう赤ちゃんは無理なのかもな〜と諦めた矢先、幸運にも授かった。「おめでとうございます」と医師がニコリと話しかけた。「本当ですか。ありがとうございます」あれほど望んでいたはずなのに、現実になったら急に不安が襲ってきた。きちんと育てられるのか?わたしはママになれるのか?ほんとうに赤ちゃんきたのかな?白黒の写真に映る豆粒のようなものを何度も見た。これが人間になるとは到底信じられなかったが、それは確かにそこに存在していた。病院の帰り道、気持ちを落ち着かせるため、蕎麦屋に入って、好物のにしんそばを注文した。食べているうちに、ジワジワ実感が湧いてきて、ポロポロ涙を流しながら蕎麦をすすり、そんな私を店員は見て見ぬふりをした。

それからのトツキトオカ、おなかに話しかけては撫で撫でした。「ほら、お花がきれいだよ。生まれてきたらいろんなものを一緒に見ようね。たのしみにしてるよ」いるのかいないのかよく分からない日々で、毎日エコー検査を受けたくなった。だから余計に、初めて人間の形をした動画をみたときはものすごく感動した。それは頭を後ろからみた様子だった。耳もついているし、うなじもわかる。背骨もクッキリと写っていた。なにより、モゾモゾ動いていた。それはまぎれもない生きている人間だった。「心臓もドキドキちゃんと動いていますね。元気ですね。」よく育ってくれているなぁ!

私にとって、はじめての出産どころか、はじめての入院だった。「40歳以上、初産、身長150センチ以下…」と、三拍子そろってハイリスク分娩に分類されたこともあり、何が起きても安心で、受け入れてくれる総合病院を探した。(場合によっては断られることもあるのだと知り驚いた。)産科の評判が良く、水中出産もあり、分娩台の上で体勢もフリースタイルで産める日赤医療センターを選んだ(母乳の指導も行き届いていた。)職場環境がよいのか、医師、看護師とも有能で大変気持ちのよい、やさしい方ばかりで、素晴らしかった。

ほぼ悪阻もなく、順調に大きくなっていった赤ちゃん。毎日一万歩を歩いていたりしたものの、居心地がよかったのか予定日を一週間過ぎようとしていた。近所のなじみのお肉屋さんにも「まだおなかにいるの?」と言われるなか、少しずつプレッシャーに。
そんなある日の深夜、何度かおなかが痛くなり病院に電話するも「まだそれは前駆陣痛だ」言われた。するとあるとき、息も絶え絶えになり立っていられないような痛みが湧いてきた。「キター!コレガジンツウカ……」7分おきになったところで陣痛タクシーで移動。しかしここからが予想外の長丁場に。入院したものの、赤ちゃんがなかなかおりてこず、破水も来ない。運動するとよいからと、病院の廊下を夜な夜な歩いたりしたものの、夜が明けてもまだ子宮口は2センチ。まさに出産していると思われる分娩室からはものすごい雄叫びが聞こえてきて、ワナワナふるえた。それほど強くならず、間隔も縮まらないままの陣痛に耐えること36時間。(辛いけれど陣痛というのは有り難いエネルギーで、強い陣痛が訪れないと産むまでには至らないのかと思い知る。料理でいうと、強火でサッと焼きたいのに、ずっと弱火で炙り焼きにされている感じに…。わたしの身体はすっかりチャーシュー)。羊水が多めと言われていたからか、指で子宮口を調べてもらっても(これも痛い…)赤ちゃんの頭はまだ出口にはまってきておらずプカプカ浮いている状態。。。しかも思いのほか成長した赤子の頭と母体の出口の物理的な大きさが、かなりギリギリかもしれないという話に(はまり込んでしまったら、エライコッチャ)。「それでも、もう少し待ったら何とかならないでしょうか…。」と、泣きそうになりながら聞いてみると「うーん…もうすでに36時間が経過しています。このままだと陣痛も、無駄な陣痛になってしまう可能性が高いです。子宮は筋肉そのものなので、これ以上いつ終わるかわからない陣痛を続けて負荷をかけると、産後の収縮にも影響があります。緊急ですが、帝王切開するのが賢明です」という説明を受けた。自然分娩で産みたいと望んで、様々な本を読みイメトレもしていただけに、手術になってしまったことのショックとこわさで、子どもみたいに部屋でひとりワンワン泣いた。到着した夫とすこしゆっくり話せて気持ちを落ち着かせ、手術の受諾書にサイン。「腰に麻酔をするときに反らないように注意してください。グッと腰を丸めてくださいね。」看護師さんはものすごくやさしく、手術の説明も丁寧にしてくださり、何度も「大丈夫ですよ」と肩をさすってくださった。入院中何度もいろんな人のやさしさに救われた。足が浮腫まないようにと渡された見たこともないキッツキツの白い靴下を、ウンウン言いながら夫に履かせてもらい、同伴する夫も手術用の服に着替えて、準備完了。記念に撮っておこうと、二人で自撮りをしたけれど、薄ら笑いを浮かべた写真になった。おなかをさわって赤ちゃんに話しかけた。「赤ちゃん、今からおなかを切るけど、先生たちが一所懸命助けてくれるから。大丈夫だからね。ママもがんばるね。」

ガラガラと手術台に乗せられて、手術室に移動。眩しい電光でギンギンに照らされ、腰に麻酔をしてからは、他人事のような、テレビドラマを見ているような不思議な感覚だった。麻酔をしても、今切っているなというのは分かるし、感覚はすこし残る。妙な気持ちがした。タオルの向こう側で淡々と進む手術中にふと浮かんだのは、同じく帝王切開だった母のこと。「お母さんもこうやって産んでくれたんだなぁ」と思ったら、涙が滲んだ。右には先ほどの看護師さん、左には同伴してくれている夫。両手をギュっと握りつつ、手術は素早く進み、20分くらいの時間が経っただろうか。

「ホンギャアホンギャア!」

突如大きな声が病室に響き渡った。あぁ…なんて力強い産声だろう。嬉しくて胸が張り裂けそうで、とめどなく涙があふれた。隣りで夫も泣いているのが分かった。「さちこさん、見てみて、すごく立派な赤ちゃんだよ、ほら」と、横を見ると、取り上げられたばかりの赤ちゃんが、体重計に乗せられているところだった。たしかに想像以上に大きく泣き声も低く立派だ。まもなく生まれたての赤ちゃんが、胸元にすぐに運ばれてきた。懸命に呼吸し、生あたたかな身体をしきりにくねらせている。「これがおなかをよくキックしていた生き物なのかな?おなかから新しい人間が出てきたんだ。」感動というよりは、なぜか神妙な静かな気持ちになった。

大変だったね。
よくがんばったね。
生まれてきてくれてありがとう。

ほっとしたのもつかの間、そこからがまた怒涛だった。次号へ続く?!

出産を終えて思うのは、どんな風に産んでも痛いものは痛く、周りの妊婦さんの話を聞いても、どれひとつ同じお産はなく、どんなお産も尊いということだ。そして、ひとの話を聞いても、ある意味、全く参考にならない。笑。それくらい何が起きるか分からないし、思い通りにはならないものを受け入れていくことが大切なのかもしれない。それはきっとこれから先、育児でもそうなのだろうな。それに人生って、そんなことばかりだ。自然分娩を望んでいて、結果的に帝王切開になったが、この医療技術がない時代だったら、もしかしたら助からなかった命かもしれない。命を授かったこと、そしてこの命を支えてくださった医師の方々、看護師さん、すべてのことに感謝の気持ちしかない。ありがとうございました。


投稿日

カテゴリー:

,

投稿者:

タグ: