枯渇した大地に

先日、産後の疲れが溜まっていたからか、激しいじんましんに悩まされた。もうこれは、ここ数年の恒例行事になってしまっている。救急外来に駆け込もうかと思ったが、コロナの患者さんも受け入れているので感染の可能性がゼロではないことを先にご理解くださいと電話で言われ、怯んだ。もしものときにと、アレルギー科で処方されていたポララミンを飲んで、とりあえずは様子をみることにした。いつもは酷くでたときは、点滴でバっと直して、スーッと引くのだが、今回はジワジワゆっくり治っていった。健康のありがたみを思い知る。

医師に言われた通り、服用期間は、念のため授乳はやめて、搾乳して捨てた。この作業が、とてもしんどく辛かった。赤ちゃんにはミルクを用意し、その間も溢れ出る母乳にパッドとタオルをあてて、地道に搾乳。その間も、上の子が本読んでーと甘えてくる。なかなかうまく搾り取られないおっぱいは、本当に危険で、気をつけないと乳腺炎になってしまう。眠い目をこすりながら、夜中も、搾乳を続ける。牛のようだと、我が身体を不思議に見つめる。

さて、やっと蕁麻疹も治り、いざ、母乳をあげようとしたら!赤ちゃんの泣き声を聴くだけであふれ出てきて、顔を見るだけで、あれほど張って痛くて仕方なかったおっぱいが、な、な、なぜか、出ない。不思議。ショボーンとなったおっぱい、一所懸命吸う赤ちゃん。やっぱり出ないおっぱい。な、なぜ😭あまりのことに、ショックで立ち直れない。

ずっとお世話になっている、母乳専門の先生のところに、無理やり予約を入れていただいた。

「これは思ったより、枯渇してるわ。特に右。」そうなんですよ。とくに右が。。うんともすんとも。あまりの変わりように、ビックリなんです。たくさん雑談しながら、先生、渾身のマッサージ!!!それはまるで突然枯渇してしまった温泉地に救世主が忽然と現れ、黙々と、黄金の手で土を掘り返しているようだった。「右の下の方、かなり萎縮してるわね、ちょっと今日は無理にひっぺがします。ごめんねちょっと痛いわね」と呟きながら、掘り返されていく大地。ずいぶん長い時間が経った。あるとき、ピューっと垂直に吹き出す温泉が😭

も、もどった、、、

「やっとここまできたわ。やっと。随分時間かかってしまったわ。でももう少しやりますよ。」先生の手にかかり、少しずつ元気を取り戻す大地。「ポララミンはねー、まぁ、大丈夫なのよね。普通は授乳させるのよね。」えー!がーん😱「何週間も飲むわけではないし、移行してもほんの少しだし、そこまで影響はないのよ。お医者さんは、安全のため飲むなと言うけれどねぇ。(因みに、移行するのは5%と言われました)まあ、でも起きてしまったことは仕方がないから、忘れましょう!とにかく気楽にね〜。おっぱいでたらいいな〜♪くらいにね。おっぱいもそうだけど、おっぱいよりあなたのがショボーンとしてるわ。分かりやすいわね〜。」「そうなんです、すべて顔に出るんです」「素直でいいわねぇ!頑張ろう!て思うとまたプレッシャーになるから、リラックスできることをして、あと、とにかく沢山たべてね!根菜がいいわ。あと餅菓子ね。大福とか」「そうなんですね、豚汁と大福食べます!そういえば蕁麻疹の間、食欲なくて食べられなかったな」「あら〜それはよくない。たくさん食べましょう。食べたものが赤ちゃんの身体を作るわよー。そしてできるだけ休んで。でもそうね、ちょっと大変だけど、一週間は、夜間は、3時間ごとに授乳をしましょう。それで戻ってくるとおもう。戻ってきてほしい!」「はい😭」「今回はね、ちょっと、ちょうど断乳のプロセスのようなものを辿ってしまった感じなのよね。一番飲んでほしいときに、無理やりやめて、搾りとったし。でもまだ大丈夫よ。とにかく、おかあさんの精神とホルモンがおっぱいにそのまま影響するからねー。気楽にね〜♪なんとかなるさ〜。ほら、赤ちゃんは全く気にしてない感じで、元気ね😂。あんな感じでね。また一週間後に来てね。」「はい😭」

先生に、おっぱいも心も救われた…。しかも、その日は先生は外勤だったのに、私のためだけに来てくださったのだ。拝みたくなった。どの道でも、プロというのはすごい。わたしもこんな風にやさしく明るく人を救えるようになりたい😭

このあと、本調子ではないものの、おかげさまで、復活してきたおっぱい。オキシトシン反射も起きるようになった。よかった。。。南無阿弥陀。

自分へのご褒美と労いということで、今日は久しぶりに温灸院に行けた😭最近、夫とはまっているお灸である。お風呂に入れていない身体がどれだけ冷えて凝り固まっているかがわかった…。じんわりじんわりあたたまって、ぬくぬく。しあわせ。足裏の気の通りがよくなった。帰りにお花を買って癒された。

今日の言葉*

“人間の能力を高めていくには、「リラックスすること」「笑顔になること」「冗談を言い合うこと」が肝心。”

小林正観


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