人生で初めて絵を買った。二人で少しずつためているタンス貯金で買った。そら塾の内藤さんの絵「森の匂い」。個展に行って、一目ぼれした。絵に一目ぼれするのは初めてだった。音楽はその場で消えてゆくけど、絵は暮らしや人生とともに一緒に過ごしていける楽しみがあるのだ知る。美術館にある絵は持って帰ってこれないから(当たり前笑)、コンサートに行くのと似ているな。それは、その時その場にしかない体験、記憶。素晴らしい演奏や絵は、人生を変えるような体験で、刹那に響き、そしてまた長い時の流れのなかにも生き続ける。家に飾られる絵は、かなしいときも楽しいときも、寄り添ってそこにいてくれる存在。あぁ、私はそのようにふと誰かの人生に、かなしみに、寄り添うような音楽をしたいなぁと、思った。おめかしせずに、寛げるような、ほっとできるようなあたたかい音が出したい。この絵大切にします。
今日の音楽*
今日の言葉*
たいていのものは手放しても買い戻せるし、いらなくなるものも多い。だが、ひと度、売り渡すとなかなか取り戻せないものがある。「たましい」だ。人は誰も、この自分である証しを、誰かが言った「成功」と引き換えにする可能性がある。自分も例外ではない。しかし昨今の世の中はこれが日常化している。
— 若松 英輔 (@yomutokaku) September 10, 2019