愛おしさ

引っ越しのトラック
袴姿の女子大生
ほころび始める桜

春が街中に動いていた。

春は別れの季節でもある。
おわりがきてはじまりがくる。
今までいくつの別れを通り抜けただろう。

別れがすぐそこに来ると
しばらくの胸の痛みのあと
愛おしさだけが残る。

無限の愛おしさ

死ぬ前もこういう愛おしさを
感じるのだろうなと直感する。

今日の言葉*
忙しすぎては いけない
大切な人に
会えなくなって
ひとりで困っているのを
見過ごしてしまう
忙しそうに していると
心を 開いてくれるはずの人が
いつの間にか
黙ってしまう

若松英輔
「生きていくうえでかけがいのないこと」


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