縫い物。

おそらく、中学生以来?いや、小学生以来??、針に糸を通したのだが…。キンチョーして、針を持つ指がプルプルふるえる。穴に全く通らん。絶望。。針に糸を通すための物があった!どういう仕組みか、古い古い記憶を手繰り寄せながら、思い出す。そして考える。あと一歩というところで、針を落として元の木阿弥。何度かやって、ついに針の穴を通過!!もうそれは、山奥にはじめてトンネルが開通して、これで街に行ける!と手を取り合って喜ぶ村人たちがありありと浮かぶ。針に糸を通すための物を開発してくれた誰かさま。ありがとう。偉大すぎる。ワタクシも、できることなら、死んだあとも、このように誰かの役に立ちたい。。。再びチクチクと縫いはじめる。す、進まない。。。はじめはシンチョーにきれいに歩みはじめる。しかしながら途中から、少しくらい道を踏み外してもよいのではないかという悪魔のささやきが聞こえてくる。おかしい。そんなことないわよ、がんばって、元の道に戻るのよ!と天使が天界から声を投げかける。天使と悪魔のはざま。桶狭間の戦いの真っ只中で、「千里の道も一歩から」「どんな長い道のりも、勇気を持って足を踏み出すのよ。いつか必ず辿りつくわ」という、テロップが脳内で流れ、名画「オーバーザレインボウ」、お下げ姿のジュディーガーランドが、歌う。

美しい音楽に力を得て、正しき道を歩もうとするも、針が、いや、指が言うことをきかない。道をそれる、曲がる、またまっすぐになる。人生、曲がりくねった道をゆくのだ。なんだろう、「とにかく、とれなければいいんじゃない?」と悪魔、いや、人間たるワタクシが呟く。育児もそうだ。「死ななければよいのだ!笑顔であればよいのだ!母乳だけでなくたって、ミルクでも赤子は育つのだ。少々転んでも何度だって、立ち直れる!」針の道、糸の道は、オーバーザレインボーを経て、人生賛歌へと変わった。ふぅ。。。すこし休憩である。人生、休むことも必要なのだ。うーん。まだ四辺のうちの一辺も終わっていない。あ、糸足りないよね。。人生で1番苦手な「玉留め」ってやつ、しなくてはならない。気が重い。これがうまくいかないと、全てが終わる。そして、そういえば、また針の穴に通過させなくてはならぬのか。もうそれは世界屈指の有名コンクールと同じだ。書類審査、ビデオ審査、そして、一次、二次、本選へと進むのだ。長き道のり。負けないぞ。めげないぞ。いつも、「音楽は音の刺繍です」などと軽々しく話していた自分がすこし恥ずかしい。刺繍ってすごい。世の中のおかあさんたちを尊敬する。そして、こんなに不器用なワタクシ、よくヴァイオリンなんて弾いているなとつくづく思う。ものすごく苦労したんだろうな。もう忘れたけど。逆に言うと、よくがんばって、ヴァイオリン続けてきたな、、としみじみしてしまう。

かあちゃん、あまちゃんの防災頭巾を縫っております。

終わったのは3時。眠い。。

いつの間に、こんなに大きくなって…。

今日の音楽*

今日の言葉*

もし、心から欲しいものをまた探す時は、うちの裏庭より遠いところには見つからないということなんだわ。そこにないとしたら、ないってことなのよ。そうでしょ?」

ドロシー(オズの魔法使い)


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