ヘンデル作曲のオラトリオ「メサイア」。誰もが一度は聞いたことがあるであろう有名な「ハーレルヤ!」のメロディがある名曲を、モーツァルトが編曲している。この編曲版を演奏するのは初めてだった。もうモーツァルトって天才!なんと素晴らしいアレンジなのでしょうか。管楽器を沢山加えたり、ソプラノのアリアを男声にしたり(!)、トランペットの美味しいところがホルンになっていたり(! しかしこれがまたオシャレ)かなり大胆な編曲で、いつものバージョンに慣れているので、皆、たまに、え?!そうくるの
( ゚д゚)
と、ギョッとしたり、モーツァルトってすごい…と皆で唸ったり感動したり。加えられた対旋律の見事さ。曲の端々に感じられるモーツァルトの粋。特に曲の終わりなどで、モーツァルトが、時々ニヤリと笑っているようにも感じられた。書き加えられた分、弦楽器は皆、ほぼ弾きっぱなし(°_°)特にヴィオラパートは本来はもっと休みが多いのに、一番弾いていたかもしれない。。お疲れ様です。。。英語の歌詞が、ドイツ語になっていて、言葉の力、言葉と音のつながりの強さもひしひしと感じた。ドイツ語の響きの美しさや奥行きのようなものが、モーツァルト版では存分に活かされていた。一度モーツァルト版味わってしまうと、ヘンデルでは物足りなく感じてしまうかも…なんて……
迸る情熱(と沢山の汗(°_°)!)の指揮でこちらも汗だくで演奏。は、激しい。。。メサイアってこんなに汗だくになる曲だっただろうか。。。この曲に対する熱い思いはあふれんばかり。「ここは天使の大群が突然空からバサバサと激しく落ちてきた感じにしたいから、どうしてもこのテンポでやりたい」などなど、決して妥協せず、オーケストラも精一杯応えた。合唱にも最後の最後まで厳しい指示が飛んだ。生命力に満ちた若々しい歌声とエネルギーは、オペラシティの隅々まで広がった。
こんな素晴らしい曲を遺してくれたヘンデル、そしてモーツァルト、沢山のお客様、音楽を共にできる仲間、あの時間に、心からの感謝。一期一会。
ありがとうございました(*^^*)
今日の言葉*
今をいつくしむことを教えない哲学は、みな、うそである。
今が、永遠とつながっていることを教えない芸術もまた、いつわりである。
今が、二度と繰り返すことのできない奇跡の連続であることを教えない
科学など信じてはならない。今を愛せ。今に朽ちることのなきものを探せ。
今を生きる者たちとともに。
(若松英輔さん)