音語り、久しぶりの異分野コラボレーション企画「音語り×絵語り」第二弾!前回2018年に第一弾でお話いただきました、ビザンティン美術史がご専門の瀧口美香さんが、この度、中公新書から、「キリスト教美術史」をご出版されました!その刊行記念トークイベントです。瀧口さんのお話は、とても分かりやすく面白く、物語性に満ちていて、知的好奇心をくすぐられ、絵画の見え方がどんどん変わっていきます。ヴァイオリンの演奏もあわせてお楽しみください。
●お申込み
キャンセルが出ましたので、募集再開します!
https://forms.gle/RUNRGJ26Bv35PyUG7
●日時 2022.12/22 (木)19:00
●会場 澤田写真館
東京都文京区本駒込4-39-9
【電車】各駅から徒歩約10分
JR山手線・京浜東北線 田端駅
東京メトロ南北線 本駒込駅
東京メトロ千代田線 千駄木駅
●各駅からバスもあり↓●
・ JR山手線・京浜東北線「田端」駅(北口ロータリーよりバス「東43」もしくは「端44」どちらも駒込病院前行き、「動坂下」下車徒歩2分)
・東京メトロ南北線「本駒込」駅(改札より140メートル歩き「本駒込3丁目」停留所より「東43」荒川土手行き、「動坂下」下車徒歩2分)
・東京メトロ千代田線「千駄木」駅 (根津寄り改札より出て、「上58」早稲田行き、「動坂下」下車徒歩2分)
【バス】都バス動坂下停留所から徒歩2分
[上58]早稲田⇄上野松坂屋
[東43]江北駅⇄駒込病院前・東京駅丸の内北口
[端44]北千住駅前⇄駒込病院前
【車】無料駐車場2台 近隣コインパーキング2カ所
●参加費 3500円(学生2000円)
●内容
〜キリスト教美術への招待〜
・キリスト教美術の誕生
・キリスト教美術の二大潮流
・ビザンティン美術の特徴
・「キリストの降誕」図像を読む
●ヴァイオリン演奏曲目
・ビーバー / ロザリオソナタより「パッサカリア」(守護天使)
・テレマン / 12の幻想曲(ソロヴァイオリンのための)より
他
音楽と絵画の共通点とは、何でしょうか。両方とも、「ことばのない世界」という点が、共通しているのではないかと思います。(もちろん、声楽には歌詞がありますが、器楽はことばを持っていません。)ことばのない世界でありながら、音楽も絵画も、それを聴いている人(あるいは見ている人)に、多くを語りかけてきます。それゆえ、一枚の絵画を前に、わたしはいつも耳を澄ませます。まるで音楽を聴いている時のように。作品の中から聞こえてくる声を、聞きもらすまいとしながら。どんな作品であっても、見る人に対して、語りたい何かを内包しています。その声に耳を傾け、作品と対話すること。それは、これほどの感動がほかにあるだろうかと思うような、宝物のような体験です。
音語り×絵語りでは、キリスト教美術という、皆さまにとってあまりなじみがないかもしれない作品を通して、絵画の語りかけに耳を傾けてみたいと思います。キリスト教美術は、見る人が立っている場所を聖なる空間へと変容させてしまうほどの力を持っています。聖なる図像は、神の国を映し出す鏡であり、神へと至る道を示す道標だからです。その豊かな世界に引き込まれて、気づいてみると、キリスト教美術史を学び始めてからあっという間に三十年がすぎていました。その学びの成果を、このたび中公新書『キリスト教美術史 東方正教会とカトリックの二大潮流』として上梓しました。今回の音語り×絵語りでは、キリスト教美術の誕生というところから始まって、いくつかの作品をともに眺めながら、作品が体現するところのゆたかな世界へと(日常をしばし離れて)分け入ってゆく、そんな時間にできればと考えています。
ヴァイオリンの演奏では、祈りに通じるような無伴奏ヴァイオリンの世界をお届けします。
生涯に3600曲以上の作品を遺した多作のテレマン。管弦楽曲、歌劇、室内楽曲、宗教曲、器楽曲など、様々なジャンルの作曲をしたテレマンの、明晰なスタイルでありながら、流麗で親しみやすく素朴な佇まいのファンタジアを。
バロック時代のヴァイオリンの名手でもあったビーバー(1644-1704)のロザリオのソナタ。このソナタでは、聖母マリアとイエス・キリストの生涯を、受胎告知からキリストの受難、復活、聖母マリアの戴冠までの15の秘蹟が音で綴られており、楽譜の各曲には、聖母マリアの秘蹟を示す銅版画も記されています。当時のヴァイオリンの技巧を駆使したこの名作の終曲は、パッサカリア(守護天使)。四つの音(ソファミレ)の下降音形が何度も繰り返され、その上でメロディーが変幻自在に展開していく祈りの音楽を。
・講師
瀧口美香(おはなし)
早稲田大学大学院博士前期課程修了、博士後期課程中退。2003年、ロンドン大学コートールド研究所にて博士号取得。英国に7年半在住。専攻は、ビザンティン美術史、キリスト教図像学。現在は、明治大学准教授。単著『ビザンティン四福音書写本挿絵の研究』(創元社, 2012); 『初期キリスト教・ビザンティン図像学研究』(創元社, 2018); 『キリスト教美術史 東方正教会とカトリックの二潮流』(中公新書,2022). 共著 A Companion to Byzantine Illustrated Manuscripts (Brill, 2017); Illuminating the Middle Ages: Tributes to Prof. John Lowden from his Students, Friends and Colleagues (Brill, 2020).
本郷幸子(ヴァイオリン)
都立小石川高校、東京藝術大学、ドイツ国立トロッシンゲン音楽大学を卒業。ドイツヘッセン州立ヴィースバーデン歌劇場オーケストラ、上野学園大学にて勤務。これまでにPMF(札幌)、シュレスヴィヒ=ホルシュタイン音楽祭、ナント音楽祭(フランス)などに出演。現在は、横浜シンフォニエッタシーズンメンバー、千葉交響楽団首席客演など、幅広く活動。大切なライフワークの一つとしてお話コンサート「音語り」を主宰。